モレスキンからブルーボトルコーヒー：カスタムエディションコーヒージャーナル

ノートブックとコーヒーはそれぞれ長い歴史の中で幾度の邂逅を重ねて、お互いに寄り添ってきたパートナーと言えるでしょう。

今回のパートナーシップは、新しくもヒストリカルな関係から生まれたカスタムエディションとなりました。

ブルーボトルコーヒーはなぜ「ブルーボトル」なのか

ブルーボトルコーヒーの始まりは1600年代後半。中央・東ヨーロッパの大部分を占領していたトルコ軍は1683年にウィーンに到着しました。敵軍に囲まれて深刻な状況に陥っいていたウィーンは、包囲網をくぐり抜けて近隣のポーランド軍にメッセージを送ることができる使者が必要でした。トルコ語とアラビア語を話すことができたフランツ・ゲオルグ・コルシツキーはトルコ軍のユニフォームを身にまとい、この任務を引き受けます。幾度もの危機を乗り越えて、コルシツキーは重大な任務を果たし、ポーランドに援軍を依頼することに成功しました。

その年の9月13日にトルコ軍は撃退され、持ち入れたものすべてを置いて逃げ去って行きました。その物資の中に豆の入った袋があり、その奇妙な見た目から、ラクダの餌だと思われていました。ただ、アラブ諸国に住んでいた経験のあるコルシツキーは、それがコーヒー豆だと知っていました。彼は褒美としてもらったお金でそのコーヒー豆を買い取り、中央ヨーロッパで初のコーヒーハウス「The Blue Bottle」を開業し、解放されたウィーンにカフェ文化をもたらしたのです。

コーヒーの香りや味わい、そして思い出を書き留められる場を設けることで、自分なりのストーリーを書けるノートブックを作り上げることを目指し、ブルーボトルコーヒーが持つコーヒーに対しての思いをモレスキンのクリエイティビティとともに形にしました。

2000年代前半、カリフォルニア州オークランド市で、フリーランスの音楽家でありコーヒーマニアでもあったジェームス・フリーマンは新鮮味が無くロースト具合が深すぎる一般的なコーヒーセレクションにうんざりし、新鮮で本来のコーヒーの味を求めている人々の為に自らコーヒー焙煎を始める決心をしました。小さな６ポンド（約２.７キロ）用の焙煎機を使い、彼は「焙煎したてのフレッシュなコーヒー豆だけをお客様に販売し、フレーバーが最も美味しいピーク期間に飲んでいただきたい。豆も最高品質で、最も美味しく責任をもって調達したものだけを提供する。」という歴史的な誓約を立てたのです。

ジェームスはコルシツキーの栄誉に敬意を払い自分の店を「ブルーボトルコーヒー」と名付け、この先続くコーヒーのダイナミックな歴史に新たな一章を刻みました。

モレスキンとブルーボトルコーヒーの特別なコーヒージャーナル。

モレスキンのノートブックは2世紀もの間、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、パブロ・ピカソ、アーネスト・ヘミングウェイおよびブルース・チャトウィンなどの芸術家や思想家に愛されてきた伝説的ノートブックの相続人であり継承者です。その起源は、20世紀初頭、文学的モダニズムの黄金時に遡ります。パリが当時のクリエイティブのメッカであり、創作者がパリの街を歩き回り、カフェで座りながら小さなノートブックにメモをとっていた時代となります。その時代では様々な人が黒いノートブックを手に持ち、貴重なスケッチやメモ、ストーリー、アイデアを書き込んでいました。

チャトウィンは、自身の著書、「TheSonglines」で、小さな黒いノートブックに関するお話を紹介しています。1986年、フランスのトゥール市にあった家族経営の小さな製造会社は倒産してしまいました。チャトウィンによると、いつもノートブックを購入していたAncienne Comédie通りの文房具店の店主も彼を代弁するかのように「Le vrai moleskine n'est plus（本当のモレスキンはもうなくなった）」と嘆いたといいます。彼は、オーストラリアに行く前に見つかる限りすべてのノートブックを買い集めましたが、それでも足りなかったのです。 1997年、伝説のノートブックを復活させたのが、現在のモレスキン社です。

モレスキンはノートブックを通じて、ブルーボトルコーヒーはコーヒーを通じて、それぞれ文化、想像力、記憶、個性に寄り添ってきました。この二つのブランドが巡り会い、ブルーボトルコーヒー初となったコーヒージャーナルは、ブランドストーリー、コーヒーのあらゆる知識、香りや味を記録するページ、そして想像力を自由に働かせるための無地ページで構成されています。

この新たなジャーナルはコーヒーを旅する人々のインスピレーションとともに歩んでいくことでしょう。